臨時国会で審議が行われている令和3年度補正予算案は、本日午後の本会議で採決が行われる見通しです。厚生労働省の補正予算案の追加額は8兆9,733億円となっており、その中には分配強化に向けた支援策も盛り込まれています。
ここでは、その支援策の主な内容として、次の2つの支援策を取り上げます。
最低賃金の引上げへの対応を支援するための業務改善助成金の拡充:135億円
内容:
(1)コロナ禍で売上高等が30%以上減少している事業者が、事業場内最低賃金を30円以上引き上げた場合に、特例的に範囲を拡大
(2)業務改善計画を策定し、計画全体として生産性向上が認められる場合、生産性向上に資する設備投資等の他、助成対象経費の特例として、生産性向上に資する設備投資等に関連する費用についても助成対象として認める
対象:以下の要件をすべて満たす事業場
・前年または前々年同期比較で売上高や生産量等の指標が30%以上減少していること
・事業場内最低賃金を、令和3年7月16日から同年12月までの間に30円以上引き上げること
助成率:3/4(上限100万円)
コロナ禍での非正規雇用労働者等に対する労働移動支援等:808億円
内容:
(1)求職者支援制度の拡充、民間派遣会社を通じた研修・紹介予定派遣等の支援を行うことで、非正規雇用者の支援を行う
(2)求職者支援制度の拡充として、令和4年3月まで、職業訓練受講給付金の出席要件、職業訓練受講給付金の世帯収入要件、訓練対象者の拡大などの特例措置を講じる
(3)トライアル雇用助成金の要件について、「離職している期間が3カ月を超える」等を廃止し、離転職の多い非正規雇用労働者でも活用しやすく変更
(4)人材開発支援助成金を見直し、紹介予定派遣を受け入れる派遣先企業(他業種・他職種)のインセンティブとして、紹介予定派遣期間に応じて奨励金を支給
(5)キャリアアップ助成金正社員化コースを見直し、加算措置を創設(令和7年3月31日までの時限措置)
令和3年度厚生労働省補正予算案の概要 https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/21hosei/